「隠れた原因」

症状には必ず原因がある。その原因を見つけ治療するのが我々の使命なのだが、その原因が必ず表に出てくるとは限らない。時には体の奥深く潜んでいる場合も少なくない。

 通常の患者の場合に治療をすると「呼吸が深くなる」「体が軽くなった」「痛みが消えた」など自身の身体の変化を自覚する。

 通院歴が長く変化を自覚しにくい患者がいた。一人は頭のふらつき、二人目は両足首の痛み、三人目は所謂四十肩である。彼らに共通する事は治療後の変化の自覚に乏しいという事である。

 彼らの原因は一体何なのか?徹底的に調べると一つの共通項が見えてきた。それは「膵臓」が弱いという事である。そして膵臓の働きが弱い事によって「糖尿」を引き起こしている可能性が非常に強くなったのである。糖尿の初期は微細神経に侵食し神経支配している微細血管を侵し病気を進行させていく。それが顕著に現われるのは目である。私は目に注目しTRテストで糖尿の検査をした。すると三人全員が糖尿陽性で、かなり進んだ状態であった。糖尿の恐い所は静かに確実に進行するところである。患者に糖尿の確認をすると病院の検査では陰性であった、と言っている。だから恐いのである。何の病気でもそうだが、画像や数値に現われる事はかなりやっかいな事になってしまうし、回復まで相当時間が掛かると言っても過言ではない。

 患者に律動法による治療をすると、あれほど鈍い反応だったのが治療後に体の変化が自覚出来たのである。これは非常に重要な事である。なぜなら人は自分で納得して初めて回復へ向かうのである。しかし、彼らの納得の知覚神経は糖尿によって鈍麻させられていたのである。

 人間の病気というのは原因の上にさらなる原因、そして、その上に今回のような「隠れた原因」が潜んでいる場合がある。病気を長く患っていると辛さからマンネリ化し回復を諦めてしまう患者もいる。しかし、諦めずに原因を見つけて治療する事によって身体は必ず回復へ向かい、あなたが自分の体に感謝すればどんな病気でも回復していくと私は実体験を通して感じている。
何故ならあなたの生体は回復への道を捜しているからである。

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