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「教科書通りにはいかない」 [脳梗塞]

 子供にも「動脈硬化」や「脳梗塞」がある。なんて、あなたは信じられるしょうか?
「そんなの年配者の病気だ」と決め付けていないでしょうか?何故なら我々の臨床では3歳、4歳、6歳という低年齢での動脈硬化や脳梗塞の治療をして劇的な回復例が数多くあるからである。

 一番顕著な例を上げてみる。

 患者は6歳。ターザンロープの一番高い所から地面へ落下。両骨盤、両足を強く打ちベビーカーに乗せられて来院。歩行は勿論、立つ事も出来ない程深いダメージを負っていた。

 初回時に左腸骨、左恥骨、左坐骨、両大腿骨、両下腿骨、足根骨全てに骨折反応(+)落下時のショックが脳下垂体まで来ており、最終メジャーを下垂体にして治療を終えた。母親には状況がヒドイので念のためにレントゲン撮影を勧めた。

 受傷34日後の当院での五回目の治療時に、医師からはレントゲン上では治ったので歩くように指示される。が、本人は痛くて歩行どころではない。医師も治ったはずだと困惑している。一体この患者の痛みの原因は何なのか?歩行を阻んでいる原因は何なのであろうか?

 診ると、患者の左椎骨動脈に動脈硬化であった。母親に落下時の頭部外傷の有無を尋ねると「ない」という。しかし、現実に動脈硬化である。さらにメジャーを追求すると左小脳に脳梗塞の反応がある。直ちに治療すると立位も難しかったのが立てるようになり、つかまり立ちではあるが3歩歩けるようになった。

 一週間後のある日控え室が子供の声で騒がしいので覗いてみると、先日あんなに歩けなかった患者が元気に歩き回って遊んでいたのである。母親に経過を尋ねると「前回の治療後に急に歩けるようになった」という。

 今回の動脈硬化の例のように人体は「教科書通りにはいかない」のである。生命現象とは不思議な事が起きるのだ。我々は現代医学の常識にとらわれずに人体から学ぶ姿勢が大切なのである。それを今回この患者が教えてくれたのだ。感謝。

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